SNS

SNSは、本当に
始めた方がいいですか?

執筆:Tomohiro Nagano(株式会社KAGAYAKI Lab 代表取締役/前職・博報堂グループ/広告運用 累計100社以上) 公開:2026年9月11日 最終更新:2026年9月11日

結論

多くの中小企業の場合、SNSより先にやることがあります。

SNSは「知ってもらう」ための手段であって、「選ばれる」ための手段ではないからです。

ただし、例外もあります。下の「始めた方がいい場合」に当てはまるなら、優先度は上がります。

なぜ「先にやること」があるのか

お客様が何かを選ぶとき、多くの場合こういう順番をたどります。

知る → 調べる → 比べる → 決める

SNSが効くのは、この最初の「知る」のところです。ところが、売上につながるかどうかを決めているのは、その後の「調べる」と「比べる」の段階です。

SNSで知ってもらったあと、お客様はたいてい会社名や店名で検索します。そこで出てくるのが、口コミ0件の地図情報だったり、何年も更新されていないページだったりすると、そこで止まります。

つまり、調べられたときの情報が整っていない状態でSNSを始めると、認知を増やすほど、比較の段階での取りこぼしが増えます。穴の空いたバケツに水を足すようなものです。

だから私たちは、「SNSをやるかどうか」の前に、「調べられたときに何が出るか」を先に見ます。

始めた方がいい場合/
今はやらなくていい場合

始めた方がいい場合

  • 商品・空間・仕上がりの見た目そのものが購買理由になる(飲食、美容、工務店の施工例、物販など)
  • すでに指名で検索されていて、比較材料も足りている
  • 日々の仕事の中で、写真や素材が自然に溜まる
  • 既存のお客様との関係維持が売上に直結する

今はやらなくていい場合

  • 会社名で検索したときに出てくる情報が薄い(口コミがない、地図情報が未整備)
  • 問い合わせや予約までの導線が途切れている
  • 社内に続けられる担当者がいない
  • BtoBで検討期間が長く、取引先をSNSでは探していない

「やらなくていい」は「一生やらない」ではありません。順番の話です。先に整えるものを整えてから始めた方が、同じ労力でも結果が変わります。

まず確認する3つのこと

  1. いま問い合わせは、実際どこから来ているか

    紹介なのか、検索なのか、地図なのか、電話なのか。感覚ではなく、直近半年の実数で見ます。ここがはっきりすると、伸ばすべき入口がどこなのかが決まります。

  2. 会社名・店名で検索したときに、何が出るか

    ご自身のスマホで、シークレットモードで検索してみてください。地図、口コミ、公式サイト、それ以外。お客様が見ている画面と同じものが見えます。

  3. 写真や素材が、自然に溜まる仕事かどうか

    SNSが続くかどうかは、意志ではなく仕事の性質で決まります。撮るために手を止める必要がある仕事だと、たいてい続きません。

よくある誤解

「フォロワーが増えれば、売上も増える」

フォロワー数と売上は、直接はつながりません。つながるのは、見た人が問い合わせや予約にたどり着ける導線があるときだけです。フォロワーが少なくても、必要な人に届いていれば成果は出ます。

「毎日投稿しないと意味がない」

頻度より、導線です。それに、続かない頻度で始めて止まったアカウントは、放置されている印象を与えるぶん、始めなかった場合より不利になることがあります。月2回でも続く形を先に決めた方が安全です。

「競合がやっているから、やらないと遅れる」

競合がやっていることと、それが効いていることは別です。投稿数ではなく、そこから問い合わせが来ているかを見てください。外から完全には分かりませんが、コメントや保存の付き方である程度は推測できます。

実際にあった判断

首都圏の学習塾をご支援したときは、Googleの口コミを集める仕組みと、教室内での実績の見せ方を先に整えました。

通っている生徒さんと保護者の満足度は、すでに高い状態でした。足りなかったのは集客ではなく、その満足が外から見える形になっていなかったことです。

結果として、口コミは0件から78件、評価は5.0になり、教室の運営日数は週2日から週4日に増えました。

※2026年7月時点の実績です。

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よくあるご質問

SNSより先にやるべきことは何ですか?

会社名や店名で検索したときに出てくる情報を整えることです。具体的には、Googleビジネスプロフィールの内容、口コミ、実績や施工例の見せ方、問い合わせや予約までの導線です。お客様は多くの場合、SNSで知ったあとに検索して確かめてから決めます。その確かめる場所が空白だと、SNSの投稿が成果につながりません。

SNSを始めた方がいいのは、どんな会社ですか?

商品・空間・仕上がりの見た目そのものが購買理由になる業種(飲食店、美容室、工務店の施工例、物販など)、すでに指名で検索されていて比較材料も揃っている会社、日々の仕事の中で写真や素材が自然に溜まる会社、既存のお客様との関係維持が売上に直結する会社です。逆にこれらに当てはまらない場合は、急いで始める必要はありません。

毎日投稿しないと意味がないですか?

いいえ。投稿頻度よりも、見た人が次に何をするかの導線が用意されているかの方が重要です。毎日投稿しても、プロフィールから予約や問い合わせにたどり着けなければ成果になりません。続かない頻度で始めて途中で止まったアカウントは、放置されている印象を与えるぶん、始めなかった場合より不利になることがあります。

まとめ

SNSをやるかどうかは、「調べられたときに何が出るか」を整えてから決めても遅くありません。

先に順番を決めれば、同じ予算と時間でも結果は変わります。

このページの内容は、これまでの支援経験にもとづく判断の目安です。業種や状況によって結論は変わります。 広告運用のご依頼もお受けしていますが、それでも「今はやらなくていい」場合はそのまま書いています。